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b-monsterパフォーマーの横顔"SMINE"「暗闇の空間は自分を変えてくれる」

MONSTERS | 2020.06.08

穏やかな雰囲気と爽やかな笑顔で愛されるSMINE。今年2月にリリースしたオリジナルのK-POPプログラムが好評で勢いに乗る彼女だが、デビュー前はテストで3回失格した落ちこぼれだったとか。そんな悩み苦しんだ日々から現在までを振り返ってもらった。

バトントワリングと競歩がスポーツの原点

新潟県で生まれ育ちました。スポーツは小1から中2までバトントワリングを、それ以降は陸上をやっていました。陸上は中学生で駅伝、高校生では競歩。競歩は県大会で入賞したこともあります。競歩と言うと「なぜ?」とよく聞かれるんですが、好きだった体育の先生がやっていて誘われたのがきっかけ。競歩は見た目以上にハードな競技なんです。脚力はもちろん、メンタルの強さも求められる。心身ともに相当鍛えられました。

幼い頃のダンサーへの憧れからパフォーマーへ

高校卒業後は地元のスポーツ系の専門学校へ。b-monsterと出会ったのはその頃で、東京での実技研修で体験に行ったんです。その時は「すごいなぁ」と驚いただけですが、次第にパフォーマーとして働きたくなりました。じつはバトンをやっていた頃、たまたまディズニーランドで踊ったことがあって、ダンサーに憧れていたんです。音楽が鳴る中、華やかに動くパフォーマーがダンサーのように見えたんですよね。また私は内気で、人前に出るのが苦手な性格。それもここでなら克服できる気がして。新卒で応募し、採用をいただきました。

研修はキツかったけど、楽しく乗り越えられました。NIKA、Kyota、KAREN、LINQ……同期とすごく仲がよく、部活みたいな明るい雰囲気で、毎日を送れたんです。でもそんな中で私は1番の落ちこぼれ。体力はないし、表現力も足りない。研修所を出る一週間前も満足にカウントがとれず、上からは「このままだと相当、頑張らないと」と言われ、最後まで不安を抱えたままでした。

パフォーマーになるテストで3回不合格に

その後、銀座スタジオを経て、池袋スタジオでリハーサル、プレデビューに臨んだんですけど、パフォーマーになる最終テストで私は3回落ちてしまったんです。理由は「殻を破れていない」。内気な性格が災いし、ふり切ったパフォーマンスができないんです。すでに他の同期たちはデビューして、順調にやっていました。不合格を言われる度、落ち込み、ひたすら泣きました。

そしてリハーサルから2ヶ月経った4回目のテスト。これに落ちたら潔くパフォーマーを諦めようと決め、臨みました。もう次はありません。心残りがないよう全力で声を出し、動くと、何かが弾けたような感覚が。いつもなら、躊躇してしまう煽りも自然とやれてしまいます。やがて45分間が終了。結果を確認すると合格の通知が! その瞬間、力が抜けました。そして、いろいろな方々への感謝とともにパフォーマーになれた喜びがじわじわと沸いてきました。すべてにダメな自分がずっとイヤで仕方ありませんでした。でもその時から少しだけど好きになりました。

いつかK-POPプログラムを持ちたかった

デビューは昨年2019年8月。そのまま池袋スタジオの所属です。10ヶ月が経ちましたけど、自分の中で大きかったのは今年2月にK-POPをリリースしたこと。このK-POPは自分だけのオリジナルプログラムで、vol.2を言い換えたもの。私は昔からK-POPが大好きで、デビューした時からいつかK-POPのプログラムを持ちたくて仕方なかったんです。ちなみにSMINE(スミン)という名前は、ディズニーの『アラジン』に出てくるジャスミンをもじったのとK-POP風の名前にしたくて付けました。

セトリは自分が好きな曲から選び、コリオはAOさん、ALANさん、AISHAさんら先輩からアドバイスをもらいました。コリオを作ることでパフォーマンスを見直すいい機会となり、プログラムをすることがとても楽しくなりました。K-POP好きのメンバー様からも好評。パフォーマーとして自信になりましたね。もちろん余裕があるわけじゃないんですが、まだまだ極めていきたいです。

基本から楽しめるふたつのプログラム

いまはそんなK-POPとvol.1のふたつのプログラムを持っています。vol.1は基本的な動作だけで構成されたプログラム。サーキットの強度は標準で、難しいパンチコンビネーションもほとんどありません。しっかりパワーパンチが打てるので、とにかく楽しみたい方や初心者の方にはオススメです。

K-POPはテンポのよさとスピード感を大事にしたプログラムです。サーキットはプランクリフトからのプランクジャックなど、止まる動作は少なく、またサンドバッグパートも手数の多いコンビネーションが入っています。最初は戸惑うかもしれませんが挑戦してみてください。またコリオはそれぞれの曲のPVに出ているダンスを意識して作りました。ステップやバウンスも多く入れ、踊っているようなイメージです。K-POPファンはその辺りも楽しんでいただければ。

〝ひょっこり〟でパンチを一発でも多く

プログラムで気を使っているのは緩急です。曲によってテンションや表情を変えたり、またフリーパートやラッシュでは勢いよくやったり。メンバー様が45分間、新鮮な気持ちのまま取り組めるように意識してやっています。

またメンバー様と動くことも。自分が受ける側になった時、一緒に動いてくれるほうが楽しいと思うもの。私自身もメンバー様に動くのが楽しいです。

あと「いいな」と思ったらしっかり声をかけています。いいパンチを打ったり、サーキットでいいフォームで動いているメンバー様には「ナイス!」「グッド!」。ちょっとした一言ですけど、励みになればいいですね。

サンドバッグを押さえながら顔を出す〝ひょっこり〟ですけど、じつは意識してやっています(笑)。他のパフォーマーも普通にやってると思うんですけど、ある時期から私のインスタグラムに「楽しい」みたいなコメントが増えて。最初は照れくさかったですけど、今はそれでパンチを一発でも多く、また少しでも強く打っていただけるならと思ってやっています。笑顔で返してくれるとまた嬉しいです。

美容とファッションが趣味

趣味は美容関係です。学生時代はそこまで意識してなかったんですけど、パフォーマーになってからは、人前に立つ仕事ということもありスキンケアほかしっかりやるようになり、今ではメイクも楽しんでいます。化粧品を集めるのも好きですね。

あとショッピングも好き。銀座スタジオのMASAさんは地元の専門学校の先輩で、b-monsterに入る時、ファッションに関するアドバイスをもらったんです。MASAさんによれば「ストリート系がオススメ」ということで、それ以来、いろいろ洋服を見たり買うようになりました。K-POPアーティストの私服もネットで見て、参考にすることもあります。

いつか「アー・ユー・レディ?」を叫ぶ日

b-monsterの良さはやはり暗闇です。スタジオ内は暗いので、人目を気にせず、集中してできる。ハードだけど音楽があるから楽しくできるし、自然と結果も出ます。自分もそうでしたけど、人目が気になって、ジムで運動するのが恥ずかしい方には是非ともオススメしたいです。暗闇の空間はきっと自分を変えてくれますよ。

あとメンタルが強くなること。明るくなるし、体型が変わるから自信もついてきます。自分もしっかりしたと思います。内気だった頃を考えたら、いくら仕事とはいえ、フロントやスタジオ内でメンバー様に声をかけるなんてできなかったはず。そう言えば前説も、最初の頃は毎回、怖くてビクビクしながらやっていたんです。本当に人って変わるものです(笑)。

そういえば私は「アー・ユー・レディ?」ってコールを、プログラムでまだしたことがないんです。気が弱くて言えないままだったんですけど、最近は自信もついて、区切りのいい時にやってみようと考えています。もしそれができたら、その時はパフォーマーとしての自分をさらに好きになってるかもしれません

 
ライター:Tomoki Ohno
音楽制作会社、カルチャー誌での勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターに転職。現在は雑誌やウェブサイトなどで、音楽をはじめエンタメ、スポーツ、飲食などの記事を執筆。b-monsterは、約2年にわたって週3~4日ほど通っている。

photo by Jun Yamashita

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