b-monsterパフォーマーの横顔"RINA"「身体と心を同時に鍛えて、理想の自分に」

低く落ち着いた声でキューイングしながら、情熱的にスタジオ内を動き回る青山の人気パフォーマー、RINA。彼女は「賑やかで元気にではなく、クールに盛り上がるプログラムがb-monsterらしい」と語る。彼女のプログラムに込めた心のうちを探った。
運動の楽しさ、大切さを多くの人に知ってほしい

生まれは愛媛県です。走ることがすごく好きで小学校から高校まで、陸上をやっていました。種目は短距離にはじまり、高校時代は400メートルハードル。練習にはストイックに励み、四国大会にも出場しました。身も心も体育会系です(笑)。
上京して大学のスポーツ科に進学し、卒業後は教員になることを考えながらもスポーツメーカーへ就職しました。でも入社後しばらくして体を動かす仕事に就きたくなりました。自分が学んだ運動の楽しさや大切さを多くの人に知ってもらいたい気持ちが、大きくなっていったんです。
でも普通のスポーツジムで働くのはなんだか物足りない。何かないか探していた時、ネットで見つけたのがb-monsterです。無料体験会に行ってみたらものすごく楽しくて。音楽を大音量で聴きながら暗闇でボクシングをするって、非日常感があるじゃないですか。スタジオや会社の雰囲気がオシャレなのも魅力。早速、応募して転職が決まりました。
〝表現〟の練習では「もっと自分を出せ!」

研修はハードな練習が続きましたが、大学卒業後もずっと体を鍛えていたので順調に進みました。ただ〝表現〟は別です。もともと人前で自分の感情を出すのが苦手なタイプで、楽しいとか、寂しいとか曲のエモーションを体で上手に表現できないんですよ。何度も「もっと自分を出せ!」と言われ、いつも悔しい思いをしましたね。
私たちの時の研修は約1ヶ月間。順番にデビューしていきましたが、楽しくおくれたのは同期のおかげです。ALAN、SARINA、NATSUMI、TAKATO、KAORI、MEW……。切磋琢磨しながらも、全員すごく仲が良かったんです。何でも話せて、キツい時も励まし合える。ご飯にもよく行きました。みんなと一緒じゃなかったら、1ヶ月間はキツいだけの印象で終わっていたかもしれません。
青山スタジオへの移動が自分を変えた

デビューは2018年4月、銀座スタジオの所属です。今年で早くも3年目を迎えますが、自分の中では大きかったのは12月、青山スタジオに異動になったことですね。銀座時代は入社したばかりだったので、日々のプログラムを行うだけで精一杯だったんです。でも異動したことで、パフォーマーとしてどうあるべきかを考えるようになりました。自分はメンバー様にどう見られているのか、しっかりしたプログラムは提供できているか。意識が高くなりましたね。
プログラムの終盤で「アー・ユー・レディ!?」と叫べるようになったのも異動してから。それまではずっとできなかったんです。でも自分を変えよう、もっとパワフルなパフォーマンスをしようって考えているうち、やってみようと。最初の頃の反応は薄かったです。ポツポツ「イエーッ」って返ってくるみたいな。でもめげずに言い続け、今ではありがたいくらい大勢のメンバー様が返してくれます。
あと翌年(2019年)2月にK-POP3をリリースしたのも大きかったです。コリオを自分で作ったことで、ようやくプログラムを楽しいと思えるようになったんです。メンバー様から高反応だったのもよかったです。そうしたことが積み重なり次第にパフォーマーとしての自信を持てるようになりました。
「シングルスクワットには挑戦してみてください」

私のプログラムですが、今、担当しているのはvol.1とvol.2、K-POP3の3本です。vol.1は、いわゆるベーシックなプログラム。サーキットからサンドバッグパートまで基本的な動作だけで構成されています。ただサーキットはタッチダウンやバーピージャンプが長めに入っていて、最初は少しキツく感じるかもしれません。是非乗り越えてほしいです。
K-POP3は音ハメを意識して作ったプログラムです。パンチパートでは手数が多く、随所にスイッチやタッチダウンなどが入ります。展開の早さとテンポの良さを楽しんでください。
vol.2はパンチメインのプログラムです。サーキットは他と比べると少なめ、サンドバッグパートを長めに。ヒップホップの重めの曲が多いので、ビートに合わせてしっかり打ち込んでもらえれば。気分をスッキリさせたい人におすすめです。
ちなみに強度の高さはvol.1、K-POP3、vol.2の順。また自分が特にこだわっているのはK-POP3、vol.2にあるシングル(片足)スクワットです。キツイかもしれませんが、脚の引き締めに効果があるので頑張って挑戦してみてください。
クールに盛り上がるのが理想で、b-monsterらしさ

プログラムで心がけているのは、メンバー様と楽しむことですね。なので一緒に動くことを意識しています。自分がプログラムを受ける立場ならば、パフォーマーが一緒に動いてくれたほうが頑張ろうって気になるし、あと銀座時代に一緒だった先輩がすごく動く方で、プログラムを受けた時、感激したんです。自分も先輩のようにしっかり動き、メンバー様の胸を打てる存在でありたいと考えています。
それと大切にしているのは「キレ」。動きはもちろん、キューイングや煽りなどのタイミングや伝わり方もすごく意識しています。最初からラストまで元気に盛り上がるプログラムもいいんですけど、落ち着いた雰囲気の中、集中し、クールに盛り上がるのが自分にとって理想で、それがb-monsterらしいプログラムと思うんです。なので、ひとつ一つの動きを大事にして、しっかり見せるように気をつかっています。
毎回、変わるのがb-monsterの楽しさ

休みの日は、洋服を買いに行ったり、友達とご飯に行ったり、基本的に外へ出かけます。家で一人で過ごすのが好きじゃないんです。寂しくなりません?(笑) たまにだけどお酒を呑みにも行きますよ。ビールが好きで結構、強いです。酔うと陽気になって饒舌になっちゃう。仕事の時とはまったく雰囲気が違うと思います。
b-monsterの魅力は〝ライブ〟ですね。いろんなパフォーマーが毎日、プログラムをやっていますけど、パフォーマーも人間ですから、その時の体調やスタジオの雰囲気などでパフォーマンスは一回一回変わります。その生っぽい感じが面白いんじゃないかな。常に新鮮な気持ちでプログラムを楽しめます。
あとはグループレッスンなのもいいですよね。みんなに引っ張られて、自分もやらなきゃって力が出る。部活もそうでしょう。陸上にしても個人競技って思われますけど、練習はみんなでやりますし。一人で黙々とやるのも悪くないけど、なかなか続けにくい。b-monsterはその点でも続けやすいです。
頑張っている顔を見るのが好き

よくカッコよくなりたいって言われる方がいますけど、カッコよさって見た目だけじゃなくメンタルもしっかりしてなきゃいけないと思うんです。b-monsterはすごくハードだから両方、鍛えられます。片方だけじゃなく、体と心の両方を鍛え続けていけば、皆さんカッコよく、理想の自分になれますよ。
私自身は、メンバー様の楽しい顔はもちろん、辛そうな顔を見るのも好きなんです。いや、意地悪な意味じゃないですよ(笑)。頑張っているなって伝わってくるので。だからプログラム後、「楽しかったよ」とか「いつもありがとう」とか言っていただくとすごく嬉しいです。
そう言えば、よく私って「怖い人」みたくに思われるんですよね。でもそんなことありませんよ。確かにプログラム中は「元気に!」みたいな感じじゃないし、前説などで余計な話をしないので、そう見られるのかもしれないですけど、フロントにいる時はよく笑うし、喋ります。クールでカッコよく見られたいけど、もう少し女の子っぽくしようかな。

音楽制作会社、カルチャー誌での勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターに転職。現在は雑誌やウェブサイトなどで、音楽をはじめエンタメ、スポーツ、飲食などの記事を執筆。b-monsterは、約2年にわたって週3~4日ほど通っている。
photo by Jun Yamashita