b-monsterパフォーマーの横顔"KAZKI"「限界を超えることが自分の自信になる」
スタジオ中に響きわたる盛大なコール&レスポンスと息をつかせぬアグレッシブなパフォーマンスで、高く支持されるKAZKI。今や現役では国内で一番のベテラン男性パフォーマーとなった彼の転機はいつだったのか。デビュー時から現在までを語ってもらった。
生きがいを探し続け、b-monsterへ
2020年3月で、入社して丸3年。いま日本にいる男性現役パフォーマーでは一番ベテランになってしまいました。先日、気づいて驚きましたよ。よりクオリティ上げていこうと身が引き締まります。
出身は福岡県。スポーツは幼稚園からサッカー、小学生から柔道をやってました。サッカーは高校時代、副キャプテン。チームのまとめ役として励んでいました。昔から仕切るのは大好きでした。
高校卒業後は飲食店勤務や解体業など、毎日バイト。お金を貯めながら、生きがいを探し続けていました。昔から英語が好きだったので、海外で仕事することも考えていました。
b-monsterはたまたま知人に教えてもらったんです。ネットで見たら運動×音楽と自分の好きな要素があり、「ニューヨーク生まれ」で海外の雰囲気もある。これは挑戦してみたい!と思い応募し、幸いにも合格をもらいました。
切磋琢磨した同期の存在が自分を支えた
入社は2017年3月16日です。同期はA-ZSON、LEON。研修は、とてもキツかったです。体力作りから動作の習得まで激しいトレーニングが毎日8時間。また当時は今よりデビューまでの期間が短いこともあって、指導も厳しかったんです。キツい言葉をかけられ、自分への悔しさから、正直泣きそうになったこともありました。
そんな自分が頑張れたのは同期の存在。一日の研修が終わった後、みんなで飲みに行き「悔しさをバネにしようぜ」「俺らでb-monsterを盛り上げるぞ」なんて話をして……。もし同期がいなかったら、自分はいま絶対ここにいません。
辛苦の果てに見つけた自分のスタイル
デビューは1ヶ月後の4月16日。ここまでの3年間で僕にとって一番の転機となったのは、そのデビュー1年後、最初所属していた銀座から新宿スタジオへ異動した時ですね。
当時の新宿は、SAORIさん、KIMIさんら指折りの人気パフォーマーばかり。僕も銀座時代は人気ランキングで上位には入っていましたが、動員数がまるで違うんです。メンバー様が多くいらっしゃる土・日などSAORIさん、KIMIさんが担当する午前や夕方のプログラムは満員。一方で自分のプログラムはピークタイムの真っ昼間なのにかなりの空きがある。この時はさすがに堪えました。すごく考えました、自分のプログラムの在り方を。自分は見た目によらず、ナイーブです(笑)。
そんな中、背水の陣で臨んだのがvol.2の進化です。自分の代名詞的に作ったこのプログラムをより良くすることで、メンバー様に「KAZKIが変わった!」「行ってみよう!」とアピールできると思ったんです。そして思いついたのがコール&レスポンス。僕はライブが好きで昔からよく行っていたんですが、DJやラッパーがお客さんと声を出し合って楽しんでいるのを思い出しました。そこで自分も「Say! HO!」とか「Say! YEAH!」とプログラムにたくさん取り入れたんです。すると「楽しい!」「また受けに来る!」とメンバー様の嬉しい反響が! 広い新宿スタジオも常時、埋まり始めました。
当時のb-monsterはとにかくクールで洗練されたイメージ。でもアツく泥臭いヤツが一人いてもいいんじゃないか。自分がその一人になろうって。そんな想いを胸に思い切ってプログラムをやるようになりました。自分に自信が持てたのはそこからですね。
バラエティに富んだ五つのプログラム
僕はいま5個のプログラムを受け持っています。vol.1はベーシック。サーキットの強度はやや高めながら動きは基本的なものばかり。集中し、ひとつひとつを丁寧にやりたい方や初心者向けです。なお、この3月、自分の入社3周年を機にリニューアルを予定しています。初心を忘れることなく、よりクオリティの高いプログラムをご提供できればと思います。
vol.2はパーティがテーマ。とにかく楽しむ、それに尽きます。『何か分からないけど、身体が弾むように楽しく、音にノレて気が付いたら滝汗かいて痩せちゃった!』ということを狙い、作り上げました。サーキットは一曲ごとに腕、脚、お腹と部位別に分け、それぞれしっかりと鍛えられるように。またパンチのコンビネーションも豊富に入れています。セトリは当時としては珍しいアーティスト縛りで、全曲ピットブル。DJでもあるLEONと選曲し、クラブの臨場感を大事に構成しました。もう一度言います、楽しいです。まだ一度も受けたこと無い方、是非盛り上がりに来て下さい。
K-POP3は僕の中では一番のハードプログラム。レンジャー訓練のようなキツさです(笑)。サーキットはこれまた部位別で脚、お腹、腕をしっかりと鍛えます。一方でパンチパートは音ハメ中心。ダッキングからのパンチや、パンチ4連発からのサイドジャンプなど踊るような動きも。高強度ですが、楽しさ盛り沢山です。
vol.3は、お腹に効くプログラムです。ツイストやスリップ、シットアップやスケーターステップなどがパンチと織り交ぜながらいっぱいでてきます。実はこれ、とある同期のvol.1を引き継ぎ一部アレンジしたもの。デビューから一年間銀座で一緒だったので、苦楽を共にした仲間の足跡を残したかったんです。もちろん内容もいい。強度はやや低めで、基本的な動きが多く初心者も楽しめるはずです。
最後は、35min,。こちらのコンセプトはEDMフェス。有名な世界的DJの楽曲を厳選しました。短時間ですが強度は高め。KAZKIプログラムを凝縮した内容です。
「僕にとってプログラムは〝ライブ〟」
プログラムで意識している事は、一回の45分を大切にすること。その時のスタジオの雰囲気、メンバー様の様子によって、キューイングの声のトーンやタイミングなどを変えています。落ち着いた方が多い回では、じっくりと集中できるように。声出して好きに楽しむ方が大勢集まっている回では、ひときわ賑やかにして、序盤からフルスロットル。
また新宿スタジオなどの大箱でも2列目、3列目の人も楽しんでもらえるように神経を張り巡らせ、端から端まであおりに行きます。一人だって飽きさせません。
僕にとってプログラムは〝ライブ〟。アーティストのライブに行って盛り上がるのと同じように、思いっきり楽しんでいただければと思っています。恥じらいなど要りません。45分間、心を解放し、本能で臨んでみてください。
また僕のプログラムは強度、難易度の両方を通常より上げています。特にvol.2は、初見では全て出来ないと思います。それは達成感を思いっきり味わって欲しいから。勉強もそうですよね。最初から全部できたら面白くない。努力するからできた時は楽しいし、嬉しい。メンバー様にとっては最初は辛いかもしれませんが、慣れてしまえば勝ちです。是非、僕のプログラムに挑戦して、最高の達成感を味わっていただきたいです。
プログラムで動くことの意識ですか? それは当然です。僕らパフォーマーは、スタジオ内でサーキットからパンチパートまで動きまくって、煽って、声を出して、盛り上げるもの。それらをすべてやることでメンバー様も一緒に頑張ろうと思って頂ける。僕の新宿時代は、まさにそういう先輩が常にスタジオを沸かせていました。国内一番の古株現役男性パフォーマーからの提言として(笑)、新人パフォーマーは常に肝に銘じて欲しいですね。
意外すぎる趣味は!?
趣味は寺社仏閣巡りです。みんなからは意外に思われますが(笑)、朱印帳は3冊持っています。小さい頃から好きで、高校時代は福岡から一人で夜行バスに乗り、京都・奈良まで4泊して巡ったこともあります。心が清められて、エネルギーになります。
あとは温泉や岩盤浴に行くこと。オフの日は箱根などに行って温泉に浸かってます。現在所属している羽田スタジオから行くこともあります。またスーパー銭湯みたいなところに行くのも好きです。LEONが日本にいた頃は、よく一緒に行きました。ご飯を食べて温泉に入り、牛乳を飲んで帰るみたいな。今は一人なのが寂しいですね。
プログラムを通し、自分に自信を
b-monsterの良さは、やはり無我夢中でサンドバッグを打てることですね。これは無料体験会でよく言うんですがストレスが溜まった時、大体お酒をあおったり、カラオケに行ったりする人が多いはず。でもそれって身体にあまりよくないし、決して解決されないと思うんです。それならb-monsterで汗をかき、心身ともにスッキリしていただければいいと思いますね。
僕からメンバー様にはプログラムを通し、自信を持てるようになっていただきたいです。例えば普段できないプッシュアップを一回でも多くやる、膝をつかずにやるなど、自分なりの目標を45分の中で掲げてやっていただければ、なおいいかなって。自分の限界を超えていくことで自信は付いてくるもの。b-monsterを通し、自分で自分を褒められるようになってほしいです。
ちなみに自宅で出来るトレーニングとしてはプランクがオススメです。テレビのCM中のエルボープランク。他には仰向けでかかとを床から少し離し、膝を伸ばしてキープするのもいいですね。スキマ時間のひと頑張りでお腹に確実に効いてくる。簡単でオススメです。
A-ZSON、LEONとは今も時々連絡を取り、タイミングが合えば会っています。昨年末にA-ZSONが帰国して国内で凱旋ツアーをやった時もその合間に一緒に飲みに行って、朝までいろんなことを語り合い、元気をもらいました。彼らは上海・台北でそれぞれ頑張っているけど、僕も負けてられません。ベテランになっちゃいましたが、初心を忘れずまだまだ全力で飛ばしていきます!
音楽制作会社、カルチャー誌での勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターに転職。現在は雑誌やウェブサイトなどで、音楽をはじめエンタメ、スポーツ、飲食などの記事を執筆。b-monsterは、約2年にわたって週3~4日ほど通っている。
phoho by Jun Yamashita