【専門家に教えて頂いた】Vol.1 運動する人に知って欲しいリンパのお話
広瀬 愛子さま (新リンパ療法センター・練馬北大泉 院長)
よく「リンパ腺が腫れる」なんて耳をします。リンパってよく使われる言葉ですが、リンパの具体的な役割については意外と知られていないのではないでしょうか。今回はリンパの役割についてリンパ療法士、整体師、栄養士の広瀬様にお話を聞いてきました。
広瀬さんが開設している院は、東京都練馬区と埼玉県和光市の県境。畑が多く、静かでのどかな場所にあります。
リンパって何?
人間の体には全身にリンパ管が分布されており、リンパ管の中には「リンパ液」という液体が流れています。血液が毛細血管にたどり着くと血漿の一部が染み出て管の外に出るとその液体はリンパ管と毛細血管の中へ回収されこの液体がリンパ液になります。
リンパ管が、毒素・老廃物を回収し、そこに流れるリンパ液が静脈に合流する時、リンパ球が豊富に増えきれいな液体になって静脈血へとそそがれる。「毒素を集める役目」を果たしているのです。
「むくみ」とは溜まった水や毒素。しっかり流すことが大切
人間の身体は約3分の2が水分です。例えば、田んぼに水が溜まったままになっていれば、水が汚くなって稲が病気になるか腐ってしまう。これは身体のむくみの構造と同じ話です。
ふくらはぎがむくんだ状態というのは「ふくらはぎの皮膚の下に、水分が溜まっている状態」のこと。水が回収されずに、老廃物と一緒に皮下組織に溢れている水をリンパ管に流したい。
田んぼに溢れている水を用水路へ戻すのと同じで、ふくらはぎの皮下組織に溢れている水をリンパ管へ流す。マッサージやリンパ療法などは水を誘導する効果があるのです。
肩が凝った時、肩の筋肉をギューっと押して、ほぐすと気持ち良くなりますよね。この時、筋肉から老廃物が皮下組織へと出てきているのです。運動などでクタクタになったふくらはぎは表面をなでるだけよりも、筋肉までアプローチした方が効果があり、さらに歪んだ骨格の構造面の矯正には格段の期待ができます。
新リンパ療法ではリンパシステムの働きを促進できる
リンパの流れには方向があり、逆に流さないよう注意をしなければなりません。また身体の中にはリンパが集中しているところがあります。例えば、鎖骨、わき下、そけい部、お腹、耳の前などです。水や毒素をリンパの方向性に流すために、角度や方向を変え、地道な作業が必要で、そういう特別な技術を保有する者がリンパ療法士です。
新リンパ療法の施術を行うことでリンパ液の流れを20倍も増加できるといいます。過剰に摂取した水分、老廃物、病原菌を処理し身体から排出する量を増加できるということです。だから代謝がよくリンパの流れが良い人は尿(小便)が近くなります。
愛車を洗う時、ざっと水をかけるだけでOKでしょうか。それだけではこびりついた脂汚れは取れません。脂汚れを取るには洗剤を使い、汚れたところをスポンジでキュッキュッとこすりますよね。そして水をかけワックスをかけます。スポンジの代わりに手を使ったりもします。新リンパ療法の施術は、そんな洗車に近い形でリンパシステムの働きを促進していくのです。
運動する人もリンパの働きに着目してみてください
b-monsterにはダイエット目的の方、美容目的の方も多いと聞きます。ぜひそういう方たちは運動習慣とともに、リンパの流れをよくする習慣にも目を向けてみてください。毒素を排出してむくみを取るので、美容だけでなく健康面でも元気になれると思います。定期的にリンパマッサージを受けるのも有効ではないでしょうか。