業界のMONSTERに訊く vol.1 お風呂のソムリエ松永 武さん

Vol.1松永 武さん(バスリエ株式会社 )
「お風呂のソムリエ」「バスグッズを50,000点試したバスグッズマニア」として、各メディアでもお風呂の魅力を伝えている松永武さん。運営するバスグッズ専門のECサイトは、楽天SHOP内でもトップクラスの売上規模を誇ります。
遅く帰った日やトレーニング後こそ、ぜひシャワーだけでなく湯船に浸かってリフレッシュしてほしいと語るのは、バスグッズ専門のネットショップを運営する松永武さん。
最近ではテレビのバラエティー番組(「マツコの知らない世界」、「櫻井・有吉THE夜会」、「ヒルナンデス」等)でも、「お風呂のソムリエ」「バスグッズを50,000点試したバスグッズマニア」としてお風呂の魅力を伝えています。
松永さんがバスグッズ専門店を立ち上げたきっかけや今後のビジョン、また、b-monster会員の方におすすめのバスグッズもお伺いしました。
バスグッズ専門店立ち上げのきっかけは、奥さんが用意してくれたお風呂
―松永さんは「Bathlier-お風呂のソムリエ」というサイトを運営していらっしゃいますが、このサイトはどんなサイトですか。
約3万点の品揃えがあるお風呂グッズ専門のインターネットショップです。
グッズ販売はもちろん、効果的な入浴法やその日の体調に合わせたお風呂を、ソムリエのように選んでご紹介しています。

―なぜ「お風呂のソムリエ」というショップを始めようと思ったのでしょうか?
以前、低反発枕を販売する会社に勤めていたとき、練馬の家から千葉県の我孫子市にある会社へ通っていたため、睡眠時間はいつも3時間くらいでした。
当時まだ交際中だった妻が、あるとき「安眠を売る仕事をしているのに自分が寝ていないのはどうなの」と言って、入浴剤を買ってお風呂を用意してくれたんです。「このくらいの温度で半身浴して、じんわり汗をかくくらい浸かってから寝てみなよ」とアドバイスもしてくれて。
その翌朝、睡眠時間は短いのに、疲れがとれて、とてもスッキリしていたんです。お風呂は睡眠の質をあげてくれるとそのときに気づきました。バスグッズの会社を立ち上げたきっかけも、この体験があったからです。
会社名も、あのとき妻がやってくれたことって「お風呂のソムリエ」みたいだなと思って「お風呂のソムリエ=バスリエ」という名前にしました。
最初は苦労の連続。初受注のうれしさは今でも忘れられません

―バスグッズ専門でも成功できると確信していらっしゃいましたか。
自信なんてなかったですよ。オープン当初は売上がない状態が数ヶ月続いてしまい、仕入れをする資金もなくて。メーカーさんに受注後に仕入れさせてもらえるよう交渉したりして、苦労の連続でした。だからこそ初受注のときのうれしさは今でも忘れられません。
―どのように事業を軌道に乗せたのでしょうか。
当時はホームページ制作、商品仕入、受発注など、全ての業務を自宅のパソコン1台でやっていました。そのときにホームページ制作やSEOについて猛勉強したんです。お客様がどうすれば買ってくれるのかという視点でホームページを改善していくうちに、徐々に売上が上がっていきました。その後、自社SHOPに加えて、楽天モールに出店したことを転機に売上が増加し、今では商品数も従業員も増えて、月商数千万円のECサイトになりました。
―約3万点と、扱う商品も多いですよね。
全てではないですが、扱う商品はできるだけメーカーの方に直接会って、商品にかける想いをお聞きしています。想いやストーリーを感じる商品は、多くの人に届けたいという熱意が湧いてきます。
商品写真はほぼ自社スタジオで撮影

―サイト内の商品写真は、スタッフさんが撮影しているとお聞きしました。
はい。自社スタジオにはバスタブもあり、お風呂グッズに関する写真はほとんど対応できます。商品の良さを分かっているスタッフが撮影するのは、バスリエの1つのこだわりであり、強みになっていると思います。
今後市場を広げるために、まずは意識改革を
―最近は「+BATHLIER(プラスバスリエ)」というサービスもスタートしていますね。
いままでは、私たち店側が「お風呂のソムリエ」として商品やお風呂を楽しむサービスを提供していましたが、「+BATHLIER」では「お風呂のソムリエ」自体を増やしたいと思っています。さまざまな職業に「お風呂」をプラスするサービスです。
例えば、「ドクター+BATHLIER」。お医者さんが「のどからくる風邪ならお風呂のときにユーカリオイルをたいて、何度のお湯に何分くらい入る」と提案できたら、付加価値が高まりますよね。
「+BATHLIER」では、そのための入浴知識を学ぶ「バスリエ資格」をつくったり、目的に応じた入浴剤のブランドを立ち上げたり、富山のカフェとコラボしてお店を展開したりして、お風呂のよさに気づいてもらう取り組みを総合的に行っています。

―「+BATHLIER」のサービスを始めた理由を教えて下さい。
例えば、先日「+BATHLIER」で、目的に合った入浴剤を自分で作るワークショップをしたとき、参加者のお子さんが、入浴剤を入れたグラスにミニカーを飾っていたんです。そうやって自分が大好きなものをプラスすることで、「これを使ってお風呂に入りたい!」と思うきっかけになったと思います。

そんなふうに、積極的にお風呂に入りたくなる意識改革をもっと多くの方にしたいと思って、このサービスを始めました。
そうした意識改革や、お風呂に入る意味、文化を広める活動が、お風呂のソムリエとしての社会的意義でもあるし、市場を広げることにもつながると確信しています。
お風呂のソムリエから、b-monster会員の方へのアドバイス
―ハードな運動をするb-monsterの会員の方に向けて、運動後におすすめの入浴方法を教えて下さい。
お風呂は体を温めるだけでなく、冷やすこともできます。アスリートはスポーツ後のコンディショニングにお風呂を使いますが、激しく筋肉を使って熱を持っている場合は、アイシングのように冷たいシャワーを活用するのもいいです。
また、筋肉は動かすことで鍛えられますが、血管までは鍛えられません。「冷やす」と「温める」を状況に応じてうまく利用すれば、血管の収縮を促す「血管の免疫トレーニング」にもなりますよ。
―b-monsterへは仕事の前後に通う方が多いのですが、時間帯によって入浴法も違いますか。
仕事前のレッスンなら、交感神経を高める熱めのシャワーを短く。これでシャキッと戦闘モードになります。家に帰って寝るなら、ぜひ帰宅後にぬるめの湯船に浸かってリラックスしてほしいです。お風呂で深部体温を上げておけば、あとは自然に下がっていくので眠りやすくなります。
―b-monsterのスタジオでも使えるグッズなどはありますか。
バスローブ「スプレンディー」

スプレンディーというバスローブは、レッスン後のシャワーのときにおすすめです。
バスローブというと優雅なイメージを持たれる方が多いですが、とても機能的でもあるんですよ。
和紙みたいに薄くて軽い素材で、鞄に入れてもかさばらないので、持ち運びもラク。
フードがついているから髪もふけるし、ドライヤーやメイクをしている間にバスローブ自体がすぐ乾きます。
2009年のG8サミットの際、イタリアを代表するギフトとして各国の首脳に贈られたこともあり、カラーバリエーションもあってオシャレです。UVカット率99%で、パイル地のタオルのように砂がからむ心配もないので、マリンスポーツに持っていくのにもいいですよ。
バスローブ「スプレンディー」
「Bath Cocktail(バスカクテル)」の入浴剤

「Bath Cocktail」は、バスリエが立ち上げた入浴剤ブランドです。目的に応じたお風呂レシピをもとに、カクテルのように「BASE(入浴剤)」、「FLAVOR(香り)」、「DECORATION(ハーブ)」を、体調や悩みに合わせてミックスして、入浴剤を作るところから楽しめます。
「Bath Cocktail(バスカクテル)」について「Bath Cocktail(バスカクテル)」購入サイト
運動や食事と同様、「湯船に浸かること」もライフスタイルの一部に
―b-monsterの会員の方に向けて、なにかメッセージはありますか。
トレーニングのときに「今ここの筋肉を使っている」と意識すると効果が高まるように、お風呂も「何のために入るか」意識していただくと、健康や美に対してさらにベストな状態を目指せると思います。ぜひ、運動や食事と同じように、湯船に浸かる習慣をライフスタイルの一部にしてほしいです。
編集後記
終始いきいきとお話して下さった松永さんですが、新しいサービス「+BATHLIER」のことを語る口調は熱く、お風呂の魅力や文化を広めたいという想いを強く感じました。
b-monster会員の方におすすめのバスグッズのひとつは、「バスローブ」。タオル地の一般的なものを想像して、ジムに持っていくにはかさばるのでは?と思いましたが、鞄に入れても邪魔にならない軽さで、着ている間に乾くとのこと。ロッカールームで使うのにぴったりで、さすがだと感じました。
PROFILE

バスリエ株式会社 代表取締役。バスグッズ専門のECサイトを運営し、楽天SHOP内でもトップクラスの売上規模を誇る。同時に、「お風呂のソムリエ」として、お風呂の魅力や文化を広める活動も積極的に行い、テレビのバラエティー番組にも多数出演している。2017年より「+BATHLIER(プラスバスリエ)」サービスを開始。
下記「プロフィール詳細へ」では、「+BATHLIER(プラスバスリエ)」やおすすめのバスグッズの詳細もご覧いただけます。